生きた乳酸菌やビフィズス菌は、
ほとんど腸まで届きません。
乳酸菌やビフィズス菌ときくと、企業の宣伝効果もあるのか、
とにかく摂るといいことがある菌、というイメージが浮かぶと思います。
ビフィズス菌は乳酸菌の中でも比較的ポピュラーな部類に入ると思いますが、
乳酸菌には他にも、ヤクルト菌、LG21、L92乳酸菌、EF乳酸菌、コッカス菌、
KW乳酸菌、発酵食品に含まれる植物由来の乳酸菌など、たくさんの種類があります。
発見した研究所の企業名がついている名前も多いですね。
どの乳酸菌でも当然のことながら、腸内環境の改善に役立つ作用をもっていますが、
菌それぞれには個性があり、得意分野をもっています。
例えばLG21は、胃炎の原因菌として話題になった「ピロリ菌」を抑える効果が
あるという研究結果がでています。
また、植物由来の乳酸菌の1つであるラブレ菌は生命力が非常に高い乳酸菌で、
変異を起こしてしまった細胞などを攻撃する「ナチュラルキラー細胞」を活性化させるため、ガン予防の効果も期待されています。
乳酸菌はそれぞれに相性があり、相手の増殖を促進したり、
お互いに守ったりという作用をすることもあります。
さて、本題です。
さまざまな作用をもつ有用な乳酸菌を、生きたままヨーグルトや乳酸菌飲料で取ったとしても、菌は腸まで届かない、というのは本当でしょうか。
これが本当だったら、今まで「乳酸菌」で選んで毎日食べていたヨーグルトは無駄だったのかな、なんて思う方も多いかもしれませんが、残念ながら本当のことなんです。
乳酸菌は熱と酸に弱いという特性を持っています。
熱に関しては体温以上にあがることはないのでいいとしても、
口から入った食べものは、絶対に胃酸にさらされます。
この時点で乳酸菌のほとんどは死んでしまいます。
ただし、乳酸菌の死骸は、他の善玉菌の栄養分になったり、免疫力アップに効く、
とも言われているので、ヨーグルトを食べることが全くの無駄ということではありません。
どちらにしても、腸内の乳酸菌を増やすなら、乳酸菌自体を摂るよりも、
酸にも熱にも強い乳酸菌生産物質を摂り、腸内の乳酸菌の増殖を活発化させるほうが確実といえます。